リハビリテーション部

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リハビリテーション部について

リハビリテーション部の紹介

リハビリテーションとは

  • 身体に障害を持った方々などに対し、その障害を可能な限り回復治癒させると共に、残された能力を最大限に引き出し、身体的な機能のみにとどまらず、精神的、社会的にできる限り自立した社会生活を送ることができるよう援助する事です。
  • 多くの専門職が集結し、チームとなって患者さま・ご家族さまをあらゆる側面からサポートして行きます。

リハビリテーション部の概要

  • 長崎記念病院リハビリテーション部は、2003年回復期リハビリテーション病棟の開設に伴い、それまでの「理学療法部」から「リハビリテーション部」へと名称変更しました。
  • スタッフは年々増加し、令和4年4月現在、理学療法士(PT)42名、作業療法士(OT)19名、言語聴覚士(ST)11名の他、公認心理師1名、助手2名となっています。
  • 入院・外来患者さまに対する急性期・回復期・維持期リハビリテーション、在宅要介護高齢者等に対する通所・訪問リハビリテーションなど、患者さま・利用者さまの状態に応じた幅の広いリハビリテーションサービスを提供しています。

リハビリテーション施設基準

  • 幅広い疾患に対応できるように,各種疾患別リハビリテーション料を算定しています。

理学療法士

理学療法士とは?

  • 理学療法士はケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する専門職です。
  • 理学療法士は寝返る、起き上がる、立ち上がる、歩くなどの日常生活を行う上で基本となる動作の改善を目指します。関節の動く範囲の拡大、筋力の強化、体力の向上、麻痺の回復、痛みの軽減を目指す治療法から、動作練習、歩行練習といった動作の改善に必要な治療法などを用いて、日常生活の自立を目指します。

理学療法の対象

主に運動機能が低下した人々ですが、その原因は問いません。病気、けがはもとより、高齢や手術により体力が低下した方々などが含まれます。

1.中枢神経疾患

脳卒中、脊髄損傷、脳の外傷、中枢神経の変性疾患、腫瘍、脳血管の異常、脳炎、小児発達障害など

2.整形外科疾患(運動器の障害)

変形性関節症、関節炎、腰椎椎間板ヘルニア、慢性疼痛、上下肢・脊椎の骨折、靭帯損傷、四肢の切断など

3.心疾患

心筋梗塞、狭心症、心不全など

4.呼吸器疾患

肺炎、慢性閉塞性肺疾患(肺気腫,慢性気管支炎)など

5.その他の内科的疾患、がん、体力低下

糖尿病、各種のがん、各種の手術後の体力低下、近い将来運動機能の低下により要介助状態になることが予想される高齢者、メタボリックシンドロームなど

作業療法士

作業療法士とは?

  • 作業療法の「作業」とは食べたり、入浴したり、家事や仕事をしたり、人の生活に関わる全ての活動のことを指します。
  • 作業療法は、病気やけが、もしくは生まれながらに障害がある人など、年齢に関係なく、日常生活に支援を必要とするすべての人が社会とのつながりを「作業」を通じて作ります。
  • 作業療法士は基本的動作能力(運動や感覚・知覚、心肺や精神・認知などの心身機能)、応用的動作能力(食事やトイレ、家事など、日常に必要となる活動)、社会的適応能力(地域活動への参加、就学・就労)の3つの能力を維持・改善し、「その人らしい」生活を支援します。
  • 具体的には、下記のような働きかけを行います。
1.身体的機能面への働きかけ

作業活動を通じて、実際の生活に必要な筋力や関節の動き、感覚機能などの維持、改善を図るとともにスムーズな動きや耐久性の獲得などを促します。

2.高次脳機能面への働きかけ

時間や場所の把握、周囲の状況の認識・物事の記憶、計算、物品の操作方法、動作の順序や方法など生活に必要な能力を評価し、練習・指導します。

3.心理面への働きかけ

長期間の入院により、失われやすい精神活動や生活に対する意欲の維持・向上を図るとともに不安を和らげたり、自信づけを行ったりします。

4.日常生活活動面への働きかけ

食事、着替え、トイレなど身の回りの動作や、炊事、洗濯などの家事動作について、その人にあったよりよい方法の提案や環境調整を行い、練習・指導します。

5.職業復帰への働きかけ

職場復帰や就職に向けて、身体機能、作業能力、学習能力、注意力、問題解決能力、コミュニケーション能力などを評価し、練習を行います。

6.自助具の考案・作成

残された機能だけでは困難な動作がある場合は、その動作を可能にするための道具(自助具)を考えたり、作成したりします。

7.在宅生活における環境の調整、指導

在宅生活へ向けて、療法士が直接ご自宅へ訪問し、手すりの設置などの家屋改修の提案を行ったり、介助方法の指導を行ったりします。

作業療法の対象

生活に支障をきたしている、もしくはそれが予測される方が対象です。急性期-回復期-生活期の幅広いステージの方が対象です。

1.からだの障害

脳卒中、脊髄損傷、高次脳機能障害、心肺の障害、悪性腫瘍、各種手術後

2.こころの障害

統合失調症、気分障害

3.発達期の障害

脳性まひ、注意欠陥・多動性障害、ダウン症候群など

4.高齢期の障害

認知症、骨・関節障害、廃用症候群

言語聴覚士

言語聴覚士とは?

  • 人間はことばによってお互いの気持ちや考えを伝え合い、経験や知識を共有して生活しています。ことばによるコミュニケーションには言語、聴覚、発声・発語、認知などの各機能が関係していますが、病気や交通事故、発達上の問題などでこのような機能が損なわれることがあります。
  • 言語聴覚士はことばによるコミュニケーションに問題がある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるように支援する専門職です。
  • 言語聴覚士は摂食・嚥下の問題にも専門的に対応しています。

言語聴覚療法の対象

1.失語症

脳卒中などで言語を支配する脳の領域が損傷されて生じる言語全般(話す・聞く・読む・書く)にわたる障害です。

2.高次脳機能障害

脳卒中などが原因で生じ、脳の損傷部位により症状は異なります。注意・集中力の低下、新しいことを覚えられない、日ごろ使う道具がうまく扱えない、感情や行動の抑制が効かなくなる、などの症状があり、日常生活に支障をきたします。

3.言語発達障害

何らかの理由で同年齢の子どもに比べて、ことばの理解や表現が遅れている状態です。ことばの発達を阻害する要因は多種多様でこれらが重複し関わりあっている場合が多いです。

4.音声障害

声帯の異常などにより、声の質(ガラガラ声等)、または高さや大きさの調整がうまくできなくなり、その人本来の声でなくなった状態です。

5.構音障害

発音に必要な器官(唇・舌など)の形態異常や麻痺などによって、うまく発音ができなくなった状態です。

6.摂食・嚥下障害

食物を食べる過程(食物の認知、口への取り込み、咀嚼、食塊形成、飲み込み)のいずれかが困難となった状態です。

公認心理師

公認心理師とは?

  • 心の悩みや問題に対してアプローチをし、心の健康の回復を援助する専門職です。
  • 患者様や子どもさんの中には何に困っているかははっきりしないけれど気持ちが落ち込む、涙がとまらないといった方もいらっしゃいます。まずは今の心や体の様子をうかがい、何に困っているのか、どうなりたいかを明確にすることから始めます。必要に応じて心理検査も実施しています。

当院の公認心理師の主な対象と業務

1.小児科

心の悩みによって腹痛や頭痛などの身体症状を引き起こす子どもさんに対しても、対話や遊びを通して成長しようとする心に働きかけます。

2.小児発達外来

発達障害の可能性を指摘されて受診される子どもさんに対しては発達検査を実施し、診断や治療に役立てるだけではなく、家庭・学校での接し方を保護者様、学校側へ伝えることも行っています。また、保護者様に対し子どもの行動を観察するコツを学び、関わり方の工夫を学ぶペアレントトレーニングも実施しています。

3.病棟業務

今後の生活に対する不安が強く、気持ちが落ち込んでいる患者様への心理面接やそのような患者さまとのコミュニケーションに悩む職員のサポートを実施しています。

入院リハビリテーションについて

入院

  • 主治医が「リハビリが必要」と判断した場合、「リハビリ」が処方されます。
  • 早期からリハビリを開始することで、早期の回復を目指します。

リハビリ開始

面 談
  • リハビリを行ううえで、「目標」を患者さまと一緒に決めます。
  • 入院前の生活状況や入院後の状況を踏まえ、決めていきます。

評 価
  • リハビリを始めるにあたり、患者さまのお身体の状態を検査・測定などを通して「評価」します。
  • 入「評価」は定期的に実施し、効果判定をしていきます。院前の生活状況や入院後の状況を踏まえ、決めていきます。

リハビリの実施
  • 「目標」の達成に向けて、「評価」をもとにプログラムを作成します。
  • お身体の状態に合わせて、リハビリスタッフが1日あたり1~3時間介入します。
  • 回復状況に応じて「評価」を行い、プログラムは随時変更していきます。

リハビリカンファレンス
  • 月に1回、主治医や看護師、リハビリスタッフ、医療ソーシャルワーカーなどが集まり、病状や今後の方針について話し合います。

退院に向けての支援
  • 退院後の生活が円滑に送れるように、必要に応じて患者さまのご自宅に訪問し、家屋改修や福祉用具のレンタルなどの提案・助言を行います。
  • ご家族による介助が必要な場合、介助方法の助言を行います。
  • 退院後も活動的な生活が送れるように、自主運動方法や運動習慣の重要性に関して指導いたします。

退院

  • 必要に応じて、外来、訪問、または通所リハビリテーションを利用していきます。
  • ご自宅でも「目標」に向けて自己管理を行い、活動的な毎日を過ごしましょう。

訪問リハビリテーションについて

訪問リハビリテーションとは

ご自宅での生活に不自由を感じていらっしゃる方や通院することが困難な方に対して、リハビリ専門職(理学療法士・作業療法士)がご自宅を訪問し、必要な運動や介護方法の助言、環境調整を行います。

訪問リハビリテーションの実際

1.寝たきり予防と身体機能の維持・回復

痛みがあったり、動きづらくなった方に対して筋肉をほぐしたり、関節の運動を行います。
起き上がりや立ち上がり、歩行などが実際の場面でより安定して行えるように支援するとともに、そのポイントをわかりやすくご助言させていただきます。

2.日常生活に関連した動作の練習

食事、排泄、更衣、入浴、家事などの日常生活動作が行いやすくなるように支援させていただきます。
介護が必要な方には介助方法や生活の工夫などをご助言し、不安が少なく無理のない生活を送れるよう援助いたします。

3.趣味や生きがいに関連する生活の支援

ご利用者が楽しみや生きがいを持って生活を送れるように、ご自身にとって意味や価値のある活動を支え、ご家族や地域との関わりを増やし、住み慣れた場所での豊かな生活を支援いたします。

4.福祉用具の選定や住宅改修の提案

手すりの位置や段差への対応といった住宅改修について、ご利用者にあった工夫を提案させていただきます。
車椅子や杖などの福祉用具の選択の助言もいたします。

5.家族への介護方法の助言

ご家族が介護による身体的・精神的な負担を抱えている場合には、介護方法の助言や関係機関との連携によりサービスの調整を行い、負担を軽減出来るように援助いたします。

6.緩和ケアに対応した関わり

自宅で人生の最期を迎えられる患者さんの身体的・精神的苦痛の緩和、ご家族への支援などを行います。

資格等の取得状況

資格等 人数(名)
各療法士協会関連 登録理学療法士 15
認定理学療法士(脳血管) 1
認定理学療法士(循環器) 2
認定理学療法士(呼吸器) 1
認定理学療法士(運動器) 2
認定理学療法士(地域) 2
専門理学療法士(生活・環境支援) 1
専門理学療法士(基礎) 1
専門理学療法士(運動器) 1
日本作業療法士協会生涯教育基礎研修修了 2
協会指定管理者(初級) 2
協会指定管理者(上級) 1