高齢化社会に伴う骨粗鬆症関連疾患は増加しており、当院でも胸・腰椎圧迫骨折や大腿骨近位部骨折の症例が入院患者さんの多くを占めています。重篤な合併疾患のない大腿骨近位部骨折では速やかに手術を行うことで早期離床をすすめ、肺炎・床ずれ・認知症の発症・廃用症候群などの長期臥床に伴う合併症を予防するよう努めています。また回復期リハビリ病棟への転棟を積極的に行うことで、質・量ともに充実したリハビリテーションを受ける機会が増えるよう心がけています。

外来診療では脊椎や上下肢の各関節疾患、神経・筋疾患など幅広い分野を対象としていますが、時に専門的な知識や技術の必要な症例には適切な医療機関への紹介も行っています。外科的治療においては、新しい術式やインプラントを取り入れつつも、個々の症例の背景に合わせた治療法をその都度熟考し選択するよう心がけています。関節外科ではできるだけ本来の関節を温存するという方針のもと、変形性膝関節症や変形性足関節症に対して長崎より発信された術式である脛骨顆外反骨切り術や遠位脛骨斜め骨切り術を行い、良好な成績を上げています。外反母趾をはじめとする足部・足関節疾患においては「足の外科医」が常勤しておりますので、診療日を確認のうえご相談ください。